眼科医と姿勢②
2026年7月22日

~人間工学が変えた手術姿勢~
眼科手術では、長時間にわたり同じ姿勢を保ち続けます。
手術に集中するあまり、術後には首や腰の疲労を感じることも少なくありませんでした。
そんな中、学会展示で出会ったのが、はんだや社の手術専用チェアでした。
興味を持ちデモをお願いしたところ、開発者である早稲田大学名誉教授・野呂影勇先生ご本人が当院までお越しくださいました。
先生は椅子の調整だけではなく、専用機器による姿勢測定を行い、人間工学の観点から身体への負担について丁寧に説明してくださいました。


姿勢測定では、従来の姿勢と比較して身体への負担が軽減されることが確認され、人間工学に基づいた設計の大切さを実際に体感することができました。
導入した椅子は、野呂先生と産業医科大学眼科チームとの共同研究から生まれたPremium Seat HS-2007Dです。



術者の姿勢を安定させることを目的として設計されており、座面は従来より高く、少し中腰、あるいは立っているような感覚で手術を行います。
実際に使用すると、腰や首への負担は大きく軽減され、長時間の手術でも以前より疲れにくくなりました。
before


after


私は身長177cmですが、それでも座面は高く感じました。そのため、小柄な先生は導入前に実際に試座されることをおすすめします。
オーダーメイドのため納期はかかりましたが、本当に良い椅子に出会えたと思っています。


野呂先生からは、
「まだまだ良い製品を作りたい。」
という言葉もいただきました。
長年、人間工学の研究を続けられている先生が、今なお改良を追い求めている姿勢に深く感銘を受けました。
おわりに
医療機器への投資と同じように、毎日何時間も身体を預ける椅子への投資も、決して無駄ではないと感じています。
今回、偶然にも二人の「椅子のプロフェッショナル」と出会えたことは、私にとって大きな財産となりました。
そして、このブログを書くにあたり、鈴木社長、野呂教授をはじめ、多くの方々にご協力いただきました。
私一人では知り得なかったこと、気付かなかったことを教えていただいたからこそ、このような記事を書くことができました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
今回は初めて眼科医として日々感じていることや、診療環境づくりについてまとめてみました。
このブログは私自身の備忘録であると同時に、仕事を通じて出会い、お世話になった方々への感謝を記録する場所にしていきたいと思っています。
同じように姿勢や腰痛で悩んでいる眼科医や医療従事者の方々の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考リンク
アルコン(NGENUITY 3Dヘッドアップディスプレイ) https://www.myalcon.com/jp/
はんだや(Premium Seat HS-2007D)http://www.handaya.co.jp/
野呂影勇先生・人間工学チェア紹介 https://ergoseating.jp/

