その他疾患

脳疾患後遺症

脳疾患が起こると視野障害になる可能姓があり、発症部位によって視野の欠ける場所が変わります。

脳梗塞、脳腫瘍、脳出血では、同名半盲、両耳側半盲、四分の一半盲などが起こる可能姓があります。

同名半盲…両目の同じ側の視野が欠けて見えなくなることをいいます。
両耳側半盲…両目の耳側の視野が欠けて見えなくなることをいいます。
四分の一半盲…両目の視野の同じ側の四分の一が欠けて見えなくなることをいいます。

※虚血性視神経症や視神経脊髄炎では、視野の上または下半分が欠ける水平半盲が起こることがあります。

眼精疲労

眼を使う作業を続けることにより、眼の痛みやかすみ、乾燥、充血などの眼の症状とともに、頭痛や肩こり、倦怠感などの全身症状などが現れ、これらの症状が十分な休息をとっても回復しないものを眼精疲労といいます。

※眼や身体を休めれば回復する一時的な疲れ目とは区別して考えられています。

角膜異物

角膜(くろめ)に異物が付着、あるいは刺さった状態です。

症状
目の痛み、充血、異物感、流涙が主な症状です。
異物の飛入から時間が経っていたり、異物が飛入した場所によっては、視力の低下を引き起こします。
原因
異物の種類として最も多いのは鉄片です。保護眼鏡をしないで使用した草刈り機、サンダー、溶接などが原因となります。他にも、植物の葉や枝などが刺さっていることもあります。
治療
塗料の破片のような薄い異物が角膜表面に張り付いている場合は無鈎のマイクロ鑷子で除去します。
鉄片異物の場合、点眼麻酔の後に針で異物を除去します。鉄片の周囲に錆が生じると炎症が起こる恐れがあるため、鉄錆除去用のドリルで除去します。異物を除去した後は、角膜上皮に欠損が生じるため、痛みを感じます。ヒアルロン酸点眼と抗菌薬の点眼をしながら経過を観察し、疼痛や異物感を和らげ、角膜上皮の再生を促進する目的で、眼軟膏も併用します。

角膜潰瘍

外傷やウイルス、細菌感染することによって角膜の組織に障害が起きている状態です。

症状
結膜の充血、異物感、流涙、違和感、痛み、角膜の濁り、瞼の腫れ、目脂という症状が出ます。進行すると潰瘍が大きくなり、痛みがより強くなります。治癒しても角膜に濁りが残り視力障害を引き起こしたり、角膜に穴が開くと失明することもあります。
原因
眼外傷などで角膜に傷が付き、そこから細菌や真菌やウイルスなどに感染する場合と、栄養不足で体の抵抗力が低下して病原菌に感染する場合があります。中で最も多い原因は、コンタクトレンズ装用による感染です。おもな病原菌は、ブドウ球菌・連鎖球菌・肺炎球菌などです。緑膿菌に感染すると、失明の恐れがあります。
治療

感染が原因となっている場合

原因となる菌に対する薬剤を投与します。
(点眼や眼軟膏、点滴、内服、結膜下注射などの方法で投与します)

感染ではない場合

抗炎症薬の投与、眼軟膏の点入、治療用コンタクトレンズの装用を行います。

※このような治療を行っても、角膜穿孔を起こしたり視力が回復しない場合は、角膜移植を行います。

コンタクトレンズに伴う角膜障害

​​角膜の表面に傷が付き、バリア機能が壊れた場所に細菌・真菌やカビ等が感染した状態のことです。

症状
角膜は感覚が発達しているため、非常に強い痛み、目の充血、流涙の症状が出ます。悪化すると、目を開けていられない程の異物感や一時的な視力低下を起こすことがあります。
原因
コンタクトレンズ装用など外部からの刺激、アレルギー性結膜炎や涙液減少症、マイボーム線の炎症など目の疾患から引き起こされるものと、糖尿病や三叉神経痛、シェーグレン症候群等の全身性の病気の合併症として起こるものがあります。
治療
点眼薬による治療が基本的となります。細菌性角膜炎には抗菌薬、真菌性角膜炎には抗真菌薬を用います。重症例では内服薬や点滴による治療も行うこともあります。感染した病原体の種類によっては病状の進行が早く、角膜が溶けて最悪の場合失明したり、濁りが残ってしまい視力低下の原因となることもあります。

眼球破裂

眼球破裂とは、眼球が何らかの外からの衝撃によって損傷して、眼球が破れてしまった状態のことです。
放置すると失明してしまいます。

症状
眼球破裂では、外からの力を受けた直後からの視力低下、充血、むくみ、眼の痛みなどの症状が出るようになります。眼球破裂をそのまま放置してしまうと、破裂した部位から細菌などが侵入して感染症を発症することもあります。また、外からの力を受けた眼と反対側の眼に、強い炎症と視力障害が生じることがあります。(交感性眼炎)

直接外力による眼球破裂
交通事故、傷害事件、スポーツ競技などによる激しいコンタクト(ぶつかるなどの接触)などにより、眼球に直接大きな力が加わったことで生じる眼球破裂です。

間接外力による眼球破裂
ガス爆発の事故や、爆弾が炸裂した際の爆風などの衝撃による眼球破裂です。

原因
眼球破裂の原因は大きく分けて、眼球に直接外力が加わることによるものと、爆風や高い圧力などの間接外力が加わることによるものの2つに分けられます。
治療
眼球破裂の治療は、破裂による損傷が比較的軽くかつ修復が可能であれば、手術で縫合します。損傷箇所があまりに大きい場合には、眼球摘出手術が必要になることもあります。いずれの場合でも、感染に対する治療も重要です。

外眼筋麻痺

​​​​​​眼を動かす筋肉の総称を外眼筋と言いますが、その外眼筋が動かなくなる病気です。

症状
基本的な症状として物が2つに見えることが多いです。
ただ原因となる疾患により症状が変わります。
原因
外眼筋自体が障害されて麻痺が起こる場合や、神経の障害により起こる場合もあります。
また糖尿病、重症筋無力症、外眼筋炎、脳梗塞などによる合併症や後遺症で起こる事もあります。
治療
炎症性の疾患が原因の場合は、ステロイドを服用します。
また手術や特殊な眼鏡を装用し矯正することもあります。

動眼神経麻痺

​​​​​​眼には6本の筋肉がありますが、外に動かす外直筋と、内下転方向に動かす上斜筋以外の筋肉を支配する動眼神経が麻痺することで、外斜視になり眼を外側に向ける以外の動きが出来なくなることを動眼神経麻痺と言います。

症状
外斜視によって物が二重に見えることがあり、中にはまぶたが下がる眼瞼下垂や瞳が広がる散瞳がみられる事があります。
原因
脳動脈瘤、脳梗塞、外傷による脳内病変などが原因で眼を動かす筋肉を司る神経(動眼神経)が麻痺することによって起こります。散瞳がみられない場合は糖尿病による神経異常などが考えられます。
治療
原因疾患がある場合はその疾患の治療を行い、症状に変動がなくなれば、斜視手術や特殊な眼鏡で眼の位置を矯正する事があります。

外転神経麻痺

眼を動かすための筋肉が6本ありますが、眼を外側に動かす筋肉のことを外直筋といいます。
その外転神経が何らかの原因によって麻痺をしてしまい、外直筋が動かなくなることを外転神経麻痺といいます。

症状
眼を外に動かすことができず、内斜視になり物が二重に見える事があります。
原因
不明です。糖尿病や頭蓋内圧亢進が関係する事があります。
治療
原因の疾患がある場合にはその疾患の治療を行い、症状に変動がなくなれば、斜視手術や特殊な眼鏡で眼の位置を矯正することがあります。

滑車神経麻痺

​​​​​​眼を動かすための筋肉が6本ありますが、内下転方向に動かす筋肉の事を上斜筋といいます。
その滑車神経が何らかの原因によって麻痺してしまい動かなくなることを滑車神経麻痺といいます。

症状
眼を内下転方向に動かすことができません。顔を傾けると、物が二重にみえます。
原因
先天性、外傷性など、脳血管障害、腫瘍などが原因としてあげられることもありますが、原因が不明のこともあります。
治療
原因の疾患がある場合には、その疾患の治療を行い、病状に変動がなくなれば、斜視手術を行うこともあります。

甲状腺眼症

​​​​​​甲状腺に関連する自己免疫疾患で、主にバセドウ病や橋本病に合併する病気です。
甲状腺機能が正常な場合も起こることもあります。

症状
眼球突出、瞼の腫れ、瞼の後退、白目の充血、眼の筋肉が動きづらくなる、物が2つに見える、眼の乾き、見えにくくなるなどがあります。
原因
瞼や眼の周りの脂肪や筋肉に炎症を起こし、炎症を起こした部分がむくんで腫れるため様々な症状が現れます。
治療
ステロイドの点滴治療や内服行い、必要に応じて放射線療法などを行います。
炎症が治まっても物が2つに見えるなどの症状がある場合は手術を行うこともあります。

閃輝暗点

偏頭痛の前兆といわれています。

症状
目の前にギザギザの光が見え、その内側が真っ暗になったりする症状が15~30分、長くて1時間ほど続きます。
原因
偏頭痛が原因であることが多いです。
場合によっては動脈硬化、糖尿病、高血圧、脳腫瘍などによっても起こることもあります。
治療
偏頭痛が原因の場合は偏頭痛を抑える薬を飲みましょう。
頭痛を伴わない場合は治療の必要はありません。
薬を飲んでも治まらない場合は脳神経外科へ相談してください。

強膜炎

強膜とは、一般的には白目の部分。白目の一番表面の膜は結膜といいますが、その下にある白くて強い膜が強膜です。
強膜炎には、強膜の表面に起こる上強膜炎、広範囲に起こるびまん性強膜炎、しこりができる結節性強膜炎などがあります。

症状
自覚症状では、充血や眼痛、炎症が強膜全体に至ると、夜眠れなくなるくらいの激しい痛みに襲われたり、眩しさや圧痛を感じることもあり、涙が出るといった症状があります。重症化すると眼球に穴があいて摘出しなくてはならない場合もあります。片方の目だけ、あるいは両眼に発症します。
原因
30~50歳代によくみられ、女性に多く発症します。関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患、梅毒、結核、痛風などの炎症性疾患が原因となることがありますが、半数以上は原因は明らかではありません。
治療
ステロイドの点眼薬や非ステロイド点眼薬や内服薬が用いられます。免疫抑制薬が使われることもあります。

角膜びらん

角膜上皮が欠損した状態です。

症状
特に起床時眼を開けた瞬間、急激な疼痛、流涙、充血などの症状が出ます。
また、まぶしさや、異物感を感じることもあります。
原因
過去の外傷によるものが多いです。そのほかに感染、コンタクトレンズの過装用、ドライアイによる角膜の乾燥や、まつげ、髪、爪などが目に入ることで起こることもあります。
治療
感染予防のため抗菌薬点眼、疼痛緩和目的で抗菌薬眼軟膏を使用します。
眼軟膏での治療中は、眼帯をして瞼の刺激を和らげることもあります。

点状表層角膜炎

角膜上皮の上皮細胞の最表層のみが多発性に欠損した状態です。

症状
目が痛む、充血、流涙がみられ、光に過敏になり、視力が低下することもあります。
原因
ドライアイ、感染(流行性角結膜炎など)やアレルギー、外傷、コンタクトレンズの過装用、紫外線照射などが原因になります。
治療
点眼薬または軟膏を使用します。
コンタクトレンズの長期使用や細菌感染症の場合は抗菌薬を使用し、コンタクトレンズの装用を一時的に中止します。ドライアイが原因の場合は軟膏や点眼を用いて治療します。

眼部帯状疱疹

三叉神経に潜んだ水痘帯状疱疹が再度感染を起こすことで、額や皮膚の症状とともに、目にも帯状疱疹が起きます。
ほとんどの場合、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが体の中に潜んでいて体調を崩したり、疲れが溜まったりなど、何かの拍子に出てきてしまうことで起こります。

症状
おでこや鼻、まぶたに赤みや水ぶくれ、目の周りに痛みを伴うボツボツ(ピリピリとした違和感だけのこともあります)や腫れ、見えにくい、充血などの症状が出てきます。ほとんどのケースで元の見え方に戻りますが、重症のケースでは後遺症として見えにくさが残ることがあります。適切な治療を行わなければ緑内障、ぶどう膜炎、角膜潰瘍など重篤な状態となり失明につながることもあります。
原因
水痘帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうのウイルス)が目に感染した状態です。
治療
皮膚科での治療とともに抗ウイルス薬(軟膏や飲み薬)を使用します。
帯状疱疹の原因である水痘帯状疱疹ウイルスに対する予防接種を行うことも重要です。

眼窩蜂窩織炎

眼球が収まっている、骨で囲まれた部分を眼窩と言い、そこの脂肪組織に起こる炎症のことを眼窩蜂窩織炎と言います。
小児に多く発症するため、重症化しやすく注意が必要となります。

症状
症状は熱や痛みを伴う瞼の腫れ、結膜の浮腫、充血があります。眼を触ると強く痛み、眼が飛び出ていて(眼球突出)、眼が動かしにくくなり、物が二重に見えることがあります(複視)。
症状が強くなってくると、炎症は眼内までに及び、視力低下を起こします。
発熱、倦怠感、頭痛、吐き気などの全身症状が起こった場合は髄膜炎や敗血症の疑いもあります。
原因
近接する副鼻腔から炎症が広がることが多く、必ずしも眼から感染するものではありません。
他には一般的ではありませんが、歯、頭蓋内、顔面の病気の感染拡大や、外傷や手術によって細菌が付いた異物が眼窩に触れることで炎症を起こす場合があります。
原因菌としては副鼻腔炎感染症に関連する肺炎球菌、または外傷から起こる場合は黄色ブドウ球菌が多いと言われています。
治療
緊急だと一週間ほどの入院が必要となります。感受性のある抗菌剤の点滴静脈注射を行い稀に外科的に排膿をします。副鼻腔や歯の病気が原因の場合はそれぞれの専門医の治療が必要となります。

前房出血

前房出血とは、目の前房(角膜と虹彩の間の空間)に血液が溜まる、眼球内の出血や血管の破損です。
一般に、前房出血の重症度が高いほど、視覚障害や長期的な目の損傷リスクが高くなります。

症状
眼内の出血に加え、
・かすみ目、ゆがみ
・眼痛
・光過敏症 (羞明)
・頭痛
眼痛、光過敏および頭痛は、特に前房出血の原因が眼圧上昇の場合に生じます。
原因
前房出血の最も一般的な原因は外傷です。スポーツ、交通外傷、喧嘩など多岐にわたります。
このため、目の周りに黒あざができるような外傷を負った場合は、直ちに眼科医の診察を受けることが大切です。場合によっては、白内障手術など眼科手術後に外傷性前房出血が起こることもあります。
しかし、これは比較的まれで自然治癒を待つか、徒手的に前房洗浄をします。
治療
通常は、前房に血液が溜まって徐々に再吸収されます。
しかし場合によっては、この血液の凝固が、房水の正常な流出を制御している前房周辺部の構造を塞いだり損傷する場合があります。これが眼圧上昇を引き起こし、緑内障 および永久的な視力喪失を招く可能性があります。
また、外傷性前房出血を引き起こす最初の眼球損傷後に、眼内で再出血が起こる場合もあります。この新たな出血(通常は外傷後数日以内に発生)は、最初の出血よりも重度でより危険です。
・安静
・頭部挙上(睡眠時含む)
・薬(局所または経口)
重度の前房出血の場合、手術が必要になることがあります。